[00:01.98]
[00:12.23]
[00:14.50]やはり、この花はとても美しい
[00:19.03]この屋敷のリビングにぴったり
[00:23.60]うん、こちらはこのようにさしてみましょうか　
[00:28.78]いやしかし、それでは少しバランスがもう少し緑の暗いよ
[00:37.91]やはり、こちらの花のみにしましょう
[00:42.64]これで全体的に見栄えが良くなりますし
[00:48.04]ああ、いいですね　
[00:52.02]ぷっと華やかになりました
[00:56.72]
[00:58.85]あなたですか　
[01:00.63]ちょうどいいところに来ましたね
[01:03.13]こちらへ来てください
[01:06.59]え？飲み物を取りに来ただけ
[01:15.05]この私がこちらへ来いと言っているんですよ
[01:17.99]口答えなど許しません
[01:21.62]ほら、はやく　
[01:28.49]最初から従っていれば良いもの
[01:32.13]あなたは本当に懲りない人ですね
[01:36.72]ほら、見てください
[01:39.74]綺麗な花でしょう
[01:41.89]あなたと違て
[01:43.96]この花は本当に美しい
[01:49.06]たまには花でも飾ろうかと思いまして
[01:52.40]あなたも花を生けたことくらいはあるでしょ
[01:57.78]え？ないのですか？
[02:01.89]ああ、ではちょうどいい機会です
[02:06.90]あなたには手伝わせて差し上げます
[02:09.42]ただし、私に言う通りにしてください
[02:17.76]私が行けていきますから
[02:19.48]あなたが口を切ってください
[02:22.18]どうぞ、このハサミを使ってください
[02:27.21]では早速、この花をお願いします
[02:32.85]何をポカンとしているのですか
[02:35.49]あなた、いくら花道やったことがないからって
[02:39.93]まさかどのようにやるかもご存じないのですか
[02:45.30]まったく、呆れますね
[02:50.49]そのようなことも知らずにのうのうとよく生きていられますね
[02:55.41]淑女には程遠い
[02:59.64]仕方ありません
[03:04.00]私が教えて差し上げますから
[03:06.15]一度で覚えてください
[03:09.13]このように花の茎をそこのバケツの中に入れて
[03:13.78]水の中で茎を斜め、切る
[03:22.22]次に、この花器に剣山をおき
[03:26.84]剣山というのは花を刺すための方が小さい有山ですね
[03:32.73]これぐらいはご存知でしょう
[03:36.10]そこに先程茎を切った花たちを指しているです
[03:40.11]ああ、花は脆いですから丁寧に扱ってください
[03:46.81]は、このような事は常識ですよ
[03:51.43]いちいち感心するまでのことでもない気がしますが
[03:55.79]私が物知りというわけでもなく
[03:59.00]あなたが無知なだけです
[04:02.26]さあ、おしゃべりはこのくらいにして
[04:05.43]花がしおれてしまいます
[04:07.42]作業に入ってください
[04:10.24]
[04:16.24]ああああ、いけません
[04:18.09]そんなに乱暴にしないでください
[04:21.61]あなたと違って、花は繊細なのですよ
[04:27.41]少し太めの口はそのまま着るのではなく、
[04:30.40]斜めにハサミを入れてみてください
[04:33.60]そう、そうですよ，
[04:40.19]ほら、綺麗でしょう
[04:43.38]そうです
[04:44.76]そのように切りにくかった茎というのは、
[04:47.29]剣山に刺すときにうまく指差されず、
[04:49.85]すぐに倒れてしまうことがあります
[04:54.50]ですから、切り口に十字に切り込みを入れてください
[04:58.41]そうすることで、剣山に刺されやすく、
[05:01.86]また倒れにくくなりますから
[05:06.41]ええ、そうです、その調子で
[05:14.17]美しい花たちよ
[05:16.48]剣山という針縫い止め
[05:19.64]その一瞬の美を花器に閉じ込める
[05:24.49]花道というのは素晴らしい文化ですね
[05:27.81]あなたもそう思うでしょ
[05:31.85]この花はどのようにさしたらいいでしょうかね
[05:37.55]後ろから、いいえ、横に刺すというのも悪くない
[05:46.92]なんです？
[05:49.16]どうしてそんなに機嫌がいいのかですか？
[05:54.09]なぜであなた、こんなにも美しい花が手に入ったんです
[05:58.88]機嫌が良くないわけがないでしょ
[06:03.03]こうして花を生け 屋敷に飾れば
[06:06.50]この屋敷に蔓延するしさに切って空気が浄化されるというものです
[06:14.82]あなたもそう思うでしょ
[06:17.82]思わないであれば、
[06:20.52]すでにあなたは手遅れた
[06:24.70]まあ、でも
[06:31.73]汚れきったあなたでも、
[06:33.97]こんなふうに美しい花を髪にさせていれば、
[06:37.49]少しはマシに見られるかもしれません
[06:43.14]なんです？その顔、嬉しいですか？
[06:47.92]まあ、かみ髪に花を刺されて喜ばない女性はいないでしょうし
[06:53.97]けれど、勘違いしないでください
[07:01.42]あくまでも、少しはマシになったというだけのことです
[07:11.04]どうしたんです？指を切た、見ぜなさい、いいから
[07:19.61]花見とけん残ったです？
[07:25.34]もっと身の回りに注意を払いなさい、普段から言っているでしょう
[07:32.62]動揺した？
[07:36.18]勘違いするなと言った矢先にこれですから
[07:39.51]まったく、だから嫌なんですよ
[07:47.02]そんなに嬉しかったんですか
[07:50.12]私からの話が、
[07:52.20]思わず動揺してしまうほどに、
[08:00.51]放置したその表情も悪くないですね
[08:08.48]ああ、そうですか
[08:10.58]あなたの指先の傷の話でしたね
[08:15.16]血が玉子ように浮き
[08:17.42]そのまま 指を伝っています
[08:31.93]あなたの血はこのようにほうんのわずかな
[08:36.96]私の気分の高揚させる
[08:42.00]ついに、貪欲に欲しがってしまた
[08:47.48]あなた、私も少し舐めただけで
[08:51.39]そんなに気持ちよさそうに顔して
[08:56.82]もっと、吸って欲しいですか
[09:03.82]とは言っても、
[09:05.93]何の理由もなしにあなたから血を吸うのは、いささか気が機嫌ます
[09:11.72]わたしは、理性的なヴァンパイアなのですから
[09:21.79]けれど、そうですね
[09:25.99]では、先程手伝っていただいたご褒美ということでいかがでしょうか
[09:35.57]無言は肯定とみなしますよ
[09:39.27]ほら、恥ずかしがらず
[09:43.28]私の目を見て、きちんと自分から言いなさい
[09:54.89]血を吸ってくださいと
[10:07.52]理性的なヴァンパイアこの様には
[10:13.32]さあ、ほら、こうして、抱き締めてあげますから
[10:23.18]ようくできました
[10:25.57]それで、ご褒美をあげましょう
[10:41.26]やはり、あなたの血をたまらない
[10:47.55]もっと、よこしなさい
[11:02.04]血で染まるあなたは
[11:04.73]あの花たちに劣らず美しいですよ
[11:08.35]さあ、もっと見せて
[11:12.79]心配は及びません
[11:16.57]私達を見ているのは花たちだけです
[11:31.97]だから、もっと綺麗に咲いてください 私だけのために
[11:40.87]ね？
[11:44.01]