『光』 私は絶対に負けられない。 負けではいけない。 それなのに、許されない失態を犯してしまった。 霧人兄さんを奪った穢れがまだ残っていたなんて。 あの日、全て切ったはずだったのに。 よりにもよって、兄さんの形を伴って現れるなんて。 ダメだ、もう兄さんはいないんだ。 分かってるのに、どうして? だって私はもう一人ぼっちなんだもの。 今は毎日のように思い出すのに。 会いたい、謝りたい。 毎日毎日、罪悪感と後悔を襲ってくる。 ねぇ、これは罰?これが報い? 私を差し出すことで許されるの。 それなら、私… 千代、千代! 誰? 負けないで、千代!一人きりで頑張れないで。 ヒコ。 一人じゃないの、頼りないかもしれないけど、絶対に君を一人のはしない。 僕がずっとそばにいる。どんなに嫌がられたって、いつもそばにいるよ! どうして、私なんかに… 今度は僕が守るんだ! うん。 絶対僕が守ってあげる。だから、大丈夫だよ。