[00:19.75]人間は有難くも [00:22.39]忘れていく生き物です [00:30.47]永久に続く夕凪はなく [00:33.12]終わらない宴はなく [00:35.86]私は今、白々しくも [00:38.47]「忘れる」の技を使います [00:40.85]だけど [00:41.27]あなたを頭の中から追い出す過程で [00:46.32]後に残るものの少なさに気付いた [00:52.00]帆を張る私の船は大海原 [01:03.85]貨物が軽くなってもまだ [01:09.11]航路(みち)は開けない [01:16.74] [01:26.14]人間は脳に羽があって [01:28.78]忘れていく生き物です [01:31.49]太陽が飲み干された頃 [01:34.14]独りの空しさに気付くだけ [01:36.45]せめて [01:37.02]残したい記憶、 [01:38.96]それは知らぬ間に憶えていた [01:42.12]それさえあれば充分だったはずの灯(ぬくもり) [01:47.53]風を切る私の船は大海原 [01:59.48]いつしか嵐が去ってもまだ [02:04.82]航路(みち)は開けない [02:10.38]私はここで何を [02:16.86]繫ぎ止めていたんだろう? [02:23.23]冷めた蒼に揺られて [02:29.66]錨はもう外れてしまった [02:40.89] [02:51.41]真実も繕う事実ももう裏腹 [03:03.17]その身からこぼれ出す噓で [03:08.32]どうせ錆びていく [03:13.66]まだ舵のとれない心で [03:19.04]航路(みち)は開けない [03:24.25]記憶は取り戻せてもまだ [03:29.46]港(あなた)は選べない