[00:29.79]貧しい家に生まれてきたこと 嘆いたことなどありません [00:39.42]此れが宿命と諦めたわけでも 強がっているわけでもなくて [00:49.37]憐れみばかりをくれる人々 私は斯くも不倖でしょうか [00:58.74]美しく飾ることもできぬ儘 咲かず散りゆく花のようだと [01:08.92]盛者必衰 誰しき皆 果つる先は一処 [01:18.44]夜なべで働き今日を凌ぐ生き様が 如何に滑稽だと嗤われても [01:28.11]愛しい家族と共に在れること どんなに倖せか、知らないでしょう [01:37.89]汗みずくになり明日も見えぬ程に 其の日暮らしだと嘲られても [01:47.62]変わらぬ笑みで迎えられること こんなに倖せと、知らないでしょう [02:17.33]二人の出逢いを例えますなら 雪解けに待つ新芽の季節 [02:27.05]重ね合わせた戀いはさながら 今を盛りと匂ふ花弁 [02:37.02]交わした約束、覚えていますか あの日、描いた夫婦の未来 [02:46.51]小指に絡めたくれないの糸で 見えた永久もありましたね [02:56.89]落花流水 等しく皆 辿る路に光あれ [03:06.06]厄を払う贄に選ばれし誉を 哀しむ私は愚かでしょうか [03:15.77]御前様にもう触れられない それゆえに、心苦しいのです [03:25.48]全て世の為人の為と云ふならば この身など厭わずに捧げましょう [03:35.51]御前様と添い遂げられないこと それだけが、心残りなのです [04:07.98]はらりはらり堕つる滴に渗む 優しい恋ひ出をくれた世界で [04:17.35]どうか、溢れんぱかりの倖せを 御前様のこと、愛しています [04:27.07]咲いては散り、散っては咲く桜のように 巡り巡る縁に誘れ [04:36.93]来世できっとまた、お逢いしましょう [04:41.79]御前様だけを、愛しています