春風ファンタジア 気温は予報通りに 肌を刺すような白 凍えた両手をそっと包み込む 改札過ぎ行く人のように 流されるように生きて 今 初めて自分で選ぶ道踏みしめてゆく 大丈夫 君の手を背中に感じて 解(ほど)けた雪の隙間 咲いた花笑う 巡りゆく季節の隅っこで 幾つもの出会いと別れを繰り返し 大人になってゆく ちゃんと笑えているかな 頬を掠める春風がどこか懐かしくて振り向いた もう迷わない 君と過ごした日々を胸に 神様は僕らを切り離して別々の線を描いた いつかどこか遠い空でまた出会えるから 舞い上がる花びらに微笑む横顔 ここにはいない君を映し出す桜 晴れ渡る景色の真ん中で 春風と夢を見ていた こんな僕をたぶん君は「情けないな」って笑うだろう ここはきっとスタートラインで 踏み出した先に待つのは新しい世界 君だけのいない世界を 巡りゆく季節の隅っこで 幾つもの出会いと別れを繰り返し 大人になってゆく ちゃんと笑えているかな 頬を掠める春風がどこか懐かしくて振り向いた もう迷わない 君と過ごした日々を胸に