[00:01.251]吾輩は人である。 [00:07.912]名前はもう、既にある。 [00:14.440]なのに何故か分からない。 [00:20.974]何もかもが分からない。 [00:27.787]何を求め、何を恐れ [00:34.314]何の為に、何を成せるか。 [00:41.009]一人ごとに、他人ごとに [00:47.588]違い、混じり、生きている。 [00:53.991]変わり続ける。 [00:56.779]でも、なるべくそのままで [01:00.291]理想を描き、矛盾を抱き [01:04.444]味わっている。 [01:08.011]街の明かりに薄れた星空。 [01:14.757]コンクリート畑に震える木と花。 [01:21.361]利便性の山に濁った海と川。 [01:28.240]なんだか今日は月が綺麗だな。 [01:47.732]誰も彼も人である。 [01:54.584]名前は疾に知っている。 [02:00.980]なのに何故か分からない。 [02:07.610]何もかもが分からない。 [02:14.044]廻り続ける。 [02:16.769]また同じ場所を通って [02:20.374]理由を増やし、孤独を分かち [02:24.358]噛み合って行く。 [02:27.918]片手間の灯りに冷めてく人肌。 [02:34.589]塞がれた耳に萎れた言の葉。 [02:41.193]掲げた自由に繋がれた首輪。 [02:48.281]それでも今日は月が綺麗だな。 [02:54.926]正しさに溢れた世界の中で [03:01.234]自分の正しさを貫くことの難しさ。 [03:08.093]人という字は支え合うだけではなく [03:13.998]歪み合い、慰め合い [03:17.147]ぶつかり合い、寄り添い合い [03:20.682]絡み合い、混ざり合いながら [03:24.534]できて行くのでしょう。 [03:27.304]そして最後の最後に [03:31.601]手を繋ぎ、背中任せ、支え合うのでしょう。 [03:39.404]分かり合えることはない。 [03:45.700]でも、分かち合えることはある。 [03:52.822]自分勝手なやつばかり。 [03:58.980]でも、愛おしくて堪らない。 [04:06.313]愛おしくて堪らない。