[00:00.000] 作曲 : 荻野目 諒 [00:00.653]花火がどこかで鳴っている。 [00:03.618]電話越しで鳴る。 [00:06.268]「そういえば今年はまだ一度も見てないな」 [00:11.761]遠回しの誘い文句。気付くかな。 [00:17.218]臆病な私の嘘に気付くかな。 [00:33.538]天気予報は雨模様。 [00:36.345]どうせ見ていないよな。 [00:39.172]二人分には窮屈な折り畳みがいい。 [00:44.244]唇は夏色。爪を青く塗れば [00:50.411]夏の終わりが今、はじまる。 [00:58.134]話しかけた瞬間に、遮って打ち上がる。 [01:05.568]君は、それを目で追う。 [01:09.615]途切れ途切れの言葉に相槌を打ちながら [01:17.118]途切れない花火が煩くて。 [01:32.524]予報通りの小雨。布の花が咲く。 [01:38.162]私たちは今、どんな二人に見えますか。 [01:43.534]汗の匂いが少しする。嫌じゃない。 [01:49.067]幅を狭めて初めて肩に触れる。 [01:56.447]次々と色が移る。 [02:00.403]私には、君以外映らないのに。 [02:08.670]笑う度に細くなるその目が好きだったよ、本当。 [02:17.710]でも、今からこの距離感を壊すね。 [02:23.500]夏の魔法なんかに頼っても、何も変わらないから。 [02:43.690]八月、人混み。 [02:45.779]合わない歩幅すら [02:48.744]いつか思い出になる。 [02:53.980]辺り一面を染める。 [02:57.327]彩って、飲み込んだ、夜空だけ似合う花。 [03:05.214]今年二度目の花火は音ばかり覚えていて [03:12.882]汗ばむような夏の記憶。 [03:17.240]この先、きっと後悔をする。 [03:23.077]その度、今日の私が背中を押すのだろう。 [03:28.507]恋をした。強い光のようでした。 [03:35.230]それは、火薬の匂いがした。